鉛筆のいろいろ~休校中の自習(全科編⑤)~
こんにちは、
キッズの教養を考える研究室「ききょうけん」のベル子です。
今回も先週に引き続き、ノートの使い方がテーマの記事になります。
※ノートの使い方に関する前回の記事はこちら↓
ただ、前回の記事「全科編④」より、どちらかというと「全科編③」の補足になるでしょうか。
※全科編③の記事はこちら↓
全科編③の「ノートの使い方一例」では、一言でまとめると
「標準は黒、加筆が赤、要点に青、緑で保留」
と色分けするというノートの使い方を紹介しました。
また、これは「4色」であって「4本」ではないとも書きました。赤一色をとっても、赤鉛筆を使用する人もいればボールペンを使用する人もいます。その他にも「赤色」というよりは「赤系の色」ですがマーカーペンやサインペンを愛用する人もいるでしょう。さらに、ボールペンといっても最近はインクを消せるタイプのものなどもあり種類は様々です。それぞれの筆記用具に利点があり、それぞれの子どもの性格によって向き不向きがあります。
今週は、ノートに何かを書く際によく使われる
①鉛筆(黒)
②色鉛筆(赤・青・緑)
③シャープペン
④ボールペン
⑤ボールペン(インクが消えるタイプ)
⑥マーカーペン
について、それぞれの筆記用具にどのようなメリットデメリットがあるのか見直していきます。
今回の記事では①~③について考えてみましょう。
①鉛筆(黒)
<メリット>
・手頃な価格帯でいろいろな濃さのものが販売されている。
・書き間違えた箇所は消しゴムで簡単に消すことができる。
・1本で様々な太さや濃さの字を書くことができる。
・「あとどのくらい使えるか」が視覚的に把握しやすい。
<デメリット>
・グリップの太さについては種類が少ない。
・摩擦に弱く、書いた文字の付近が汚れやすい。
・小まめに削る作業が必要になる。
・他の筆記用具に比べてゴミが出やすい。
鉛筆は芯の固さによって、「HB」「4B」など分類されていますね。「6H」や「6B」くらいになると専門店以外ではあまり見かけませんが、H~4Bくらいまではスーパーや雑貨屋等でも販売されていて入手しやすく、自分の好みのものを使い続けることができます。また、一本一本も安価で売られているため、これまで使っていなかった濃さのものを試してみたり、何種類も準備しておいたりすることもできます。
ただ、一般的に出回っている鉛筆の多くは、ほとんどが同じ太さです。そしてそれはどちらかというと、筆記用具全般の中では細い部類に入ります。「長時間書き続けるなら、もっと太い方が疲れづらい」という人ももいるでしょう。別売りの商品を付けて持つ部分を太くすることも不可能ではありませんが、何もつけずに使っていると、少し疲れやすい太さです。
鉛筆といえば削って使うものですが、削り方や持つ時の角度、力の入れ方によって、一本の鉛筆でもいろいろな濃さや太さの線を書くことができます。文字の練習等をする際には、「とめ」「はね」「はらい」をしっかり意識しやすい筆記用具だといえるでしょう。
反対に、小まめに削らないと適切に字を書くことができない道具だともいえます。定期的に削っておくか、削り器を持ち歩くかする必要がありますね。削ると必ずゴミがでますし、意外と「お手入れ」の小まめさを求められます。ただ、「使うと短くなる」ため、「あとどのくらい使えるのか」が非常にわかりやすいという利点もあります。
「ゴミ」という点ではもう一つ、単純に書くだけでも「黒い粉」が出ます。これは「字」としてノートに残すために必要なものですが、鉛筆によっては余分な粉がノートにつき、ノート自体の汚れになったり手の汚れになったりしますから、きれい好きな子にとってはストレスのもとになることもあるでしょう。特にルーズリーフのように重ねた紙同士がこすれやすいものを使っている場合、書いた文字がこすれて汚れやすくなるので注意が必要です。
しかし、なんといっても「書いたり消したり」が気軽にできるのが最大のメリットでしょう。その濃さなどによって消しやすさに差はありますが。
②色鉛筆(赤・青・緑)
<メリット>
・鉛筆やペンと重ねて使うことができる。
・書き間違えた箇所は、ある程度消しゴムで消すことができる
・1本で様々な太さや濃さの字を書くことができる。
・「あとどのくらい使えるか」が視覚的に把握しやすい。
<デメリット>
・字をくっきりと書くのが難しい。
・芯が折れたり丸まったりと消耗しやすく、良い状態を保つのが難しい。
・量を書くのに向いていない。
メリットデメリット共に鉛筆と重なる部分が多いのですが、色鉛筆は鉛筆よりも芯が柔らかいものが多く、少し使っただけですぐに丸まってしまいます。尖っているうちはある程度の濃さで書くことができるのですが、芯が丸くなるほど線が薄くなり、くっきり読みやすい字を書くのは大変です。ただ、その薄さのために、鉛筆やペンで書いた字に重ねて色を付けたりするのには向いているといえるでしょう。少し広い範囲を塗りつぶす作業等にも便利です。
その芯の柔らかさのせいか、色鉛筆は削り器で削っている最中も芯が折れやすく、尖らせた状態を保つのは大変です。また、丸まっても芯が折れても削らなくてはいけないのですから、あっという間にどんどん短くなってしまいますね。(比較的芯の硬いものもあるのですが、芯の硬い色鉛筆は色が出づらい傾向があります。)鉛筆削りではなくカッターや小刀で削ると「削っている最中に芯が折れる」というトラブルを避けられますが、削りカスをどうするかということを常に考えておかなくてはなりません。
量(特に文字)をたくさん書くとなると不便な面が多いのですが、「時々少しだけ線をひくときに使う」といった用途では気軽に使いやすい筆記用具です。
③シャープペン
<メリット>
・書き間違えた箇所は消しゴムで簡単に消すことができる。
・削る必要がなく、常に一定の細さで書くことができる。
・鉛筆に比べてデザインのバラエティに富んでいて、好みの長さや太さが選べる。
・鉛筆に比べて紙や手が汚れにくい。
<デメリット>
・マティックタイプの筆箱に収まりにくい。
・標準的な濃さの黒色以外の芯の入手が困難。太さもほぼ一定。
・長期間補完するメモやノートへの使用には向いていない。
・扱い慣れないうちは必要な時に使えなくなるトラブルが起きやすい。
鉛筆と同じように消しゴムで消せる一方で、鉛筆と違って小まめに削る必要がなく、常に一定の太さを保てるのが大きな特徴ですね。裏を返せば、いろいろな太さを使い分けることが難しくなっています。また、慣れないうちは「芯を補充したのに出てこない」というトラブルに見舞われる子どもが多いため、他の筆記用具も準備しておかないと「書きたい時に字が一切書けない」ということになりかねません。
字の濃さは力加減である程度調整可能ですが、もともと販売されている芯のラインナップとして濃さや色のバリエーションが少なく、HB~2Bくらいの黒い芯以外を探すとなると一苦労です。鉛筆に比べると全体的に芯が硬いため、色の出方が薄くなりますが、その分鉛筆で書いたときに比べると紙や手が汚れにくいメリットがあります。元々の薄さのせいか、書いてから年単位で時間が経つと字が消えかかっている場合があるため、長期的に残しておきたいノートにはあまり向いていないと思われます。
芯に関しては種類が少ないシャープペンですが、シャープペン全体のデザインとしては鉛筆よりもバラエティに富んでいて、鉛筆ではほぼ見られなかった太いグリップのものもたくさん売られています。マティックタイプの筆箱(小学校入学時に購入するような、一本一本鉛筆をさして収納する筆箱)には収まりづらいという難点がありますが、小学校低学年のうちにシャープペンを持ち歩く機会はあまりないですね。同じマティックタイプでも学年が上がってから購入する製品はペンを指す部分がゴムでできているなど多少の太さには対応できるようになっているものが多いですから、それほど困ることはないでしょう。
◎「ペンのいろいろ」(全科編⑥)に続きます
今回は鉛筆とシャープペンに関して、メリットとデメリットをまとめました。次回はペンに関して、それぞれのメリットとデメリットを考えてみます。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。