ひらがな学習のための小ネタ集⑥~ピカピカの一年生の教養62~
こんにちは、
キッズの教養を考える研究室「ききょうけん」のベル子です。
現在当ブログでは毎週金曜日に、ひらがなを書く練習をする時に覚えておくと役に立つ、ちょっとしたコツの紹介をしています。今回はその6回目です
※前回の記事はこちら↓
前回、「ひらがなを『上手に書く』練習をすることに、そもそもどんなメリットがあるのか」をテーマに記事を書きました。
今回は具体的な文字の練習に戻ります。
以前の記事で「く」「へ」「し」について扱いましたが、今回はその続きで「つ」の書き方です。
◎直線→曲線→直線
↑こちらが、教科書体の「つ」の形です。
「まるく曲がる」部分が特徴ではありますが、「し」と同様に、曲がっている部分は実はそれほど多くありません。
書き出しと書き終わりは、ほぼ直線です。曲線なのは途中の部分だけなのですね。
「とにかく丸く曲がる」と考えていると、
↑このように、必要以上に丸まってしまうことがあります。
その場合は
↑この図のように、赤で囲んだ部分はほぼ直線で、曲がっているのは青い部分のみだけだということを意識すると良いでしょう。
この注意点は、「し」の時と変わらないですね。
◎始点と終点
ただ、「し」とは少し異なる部分もあります。
まず、「し」よりも曲線の曲がり方が大きい点、それから書き出しの直線部分に傾きがある点です。
参考までに補助線を引いてみます。
学校の文字の練習では、この「マスを四分割する補助線」はよく使われますね。出版社等によって、文字のフォントや補助線との位置関係は微妙に変わってきますが、おおよその目安としてとても参考になります。
さて、「し」の時は書き出しの直線は「ほぼ真下に伸ばしていく」イメージでしたが、「つ」の場合は「ほぼ真横の伸ばす」わけではないようです。少し右上がりになりますね。最終的には下に折れ曲がっていくため、それを意識しすぎると
↑このように傾き過ぎてしまいます。上下の変化で考えると、それほど「上の方」から「下の方」へ下がっていく字ではないのです。ですから、書き出しの場所も、それほど上の方からにするべきではありません。
横向きの補助線との位置関係に注目すると、書き出しは真ん中の高さを表す補助線より少し上からスタートし、その補助線から少しずつ離れるように右上がりに書かれていることがわかります。その後「し」の時よりも大きく曲がり、曲がれたらまたほぼ直線に変わり、縦向きの補助線のあたりまで来たら書き終わりです。
◎「水たまり」をつくらない
ところで、書写の授業中等に「つ」の字形の注意点について「卵を包むような形にする」というような表現で教えられたことはないでしょうか。そして、実際に「つ」の文字の中に卵の形が書かれている見本を見せられたことはありませんか。
これは、おそらく
↑このように、最後まで丸まりすぎるのを防ぐための注意書きだと思われます。でも「卵が入るように」と言われても、実際どう気を付ければ良いか考えるのは、一年生には少し難しいのではないでしょうか。書きあがった字に卵が上手く収まるかどうかを考えることはできるかもしれませんが、予め卵が入るように書くことの難易度は「お手本のとおりに書く」というのとあまり変わらない気がします。
上のような「最後に丸まり過ぎる」字を書いてしまう場合、どのように声をかけると良いのでしょうか。
先ほどの「丸くなりすぎない」とか「最後は直線で終わっている」といった注意点も、この「丸まり過ぎ」の改善のためのポイントになるでしょう。それ以外に私がお勧めしたいのが「水たまりを作らない」というものです。
↑このように実際に水たまりを書き込んで「ここの水が流れるように書いてね」と声をかけるわけです。イメージしやすいものは子どもによって異なると思います。でも、実際にこれまで声をかけてきた私の体感としては、この年代の子どもたちにとって「卵を包み込む」よりはずっとわかりやすいようです。
◎まとめると
・「つ」は「し」と同様に「直線→曲線→直線」で書く文字です。
・最初の直線は、横の補助線の上くらいからスタートして、右上がりに書きます。文字の終点は縦の補助線あたりです。
・「水たまり」をつくらないように、注意します。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。