ききょうけん(キッズの教養を考える研究室)

「キ」ッズの「教」養を考える「研」究室

ノートの使い方一例~休校中の自習(全科編③)~

 こんにちは、

キッズの教養を考える研究室「ききょうけん」のベル子です。

 

 今回も前回に引き続き「学んだことをノートにまとめる技術」をテーマに考えていきます。

※前回の記事はこちら↓

kikyouken.hatenablog.com

 

 前回の記事では、板書等の丸写しをしたノートでも、その子の理解の度合いや「自力で学べる力」が見えてくるという話を書きました。

 今回はノートの取り方の一例を紹介しますが、「これが絶対にお勧め」ということではありません。ただ、この取り方で学習する姿をイメージしたり、実際にやってみることで、その子の「自力で学べる力」がどのくらいかをはかったり、その子に合っている教材を選ぶ一つのヒントになると思います。

 

 

◎「4色」を使う

 

 私が日頃「ノートの使い方の一例」として紹介している方法は、4色の筆記用具を使うものです。

「4本」ではなく、「4色」です。実際に使用する本数は人によって異なり、そのまま「4本あれば4色になるから十分だ」という人もいるでしょうし、「同じ赤でも字を書くペンと線をひくマーカーを別にしたい」という人もいるでしょう。また、「全色ボールペンの方が良い」という人もいれば「鉛筆や消せるインクのペンなど、書き直しのできるものを使いたい」という人もいます。それぞれの筆記用具に利点があり、それぞれの子どもの性格によって向き不向きがありますが、この筆記用具の種類と子どもの相性については、また別の回にふれたいと思います。

 

 今回はとにかく「色を4種類使い分ける」ノートの使い方を紹介します。

 

 

◎標準・加筆・要点・保留

 

 一行でまとめるなら「標準は黒、加筆が赤、要点に青、緑で保留」となります。

 以下で詳細をかきますが、黒と赤は一般的に使われている方法とほぼ変わらないイメージなので、この2色をそのまま使うのが一番わかりやすいと思います。青と緑は自分のお好みやイメージで別の色に変えても良いでしょう。

 

 まずは黒と赤ですが、一般的に何かを紙に書くといったら、まず黒を使うことを考えますね。

 ここでも、板書の文字を移したり、教科書の問題をノートに解いたり、そうした基本的な書き込みは黒を使用します。

 

 赤は、注意するべき点を書き込んだりや強調しておきたい点に印をつけたりするのに使います。

 学校の板書で先生が色を変えて書いている部分を、それに倣って色分けして書く際もこの赤を使います。黒板で言えば、先生が白いチョークで書いている字は黒い筆記用具でノートに写し、赤や黄色で書いている字は赤い筆記用具を使うというわけです。 

 その他練習問題を解いた際に答えを間違えてしまっていたら、正しい答えを赤で書き込んでおきます。

 

 青は、その学習の一番ポイントとなる部分や要点に使います。算数や数学で言えば、公式や定理等を書く時に使用するわけです。最初から青字で書いてしまっても良いですし、黒や赤で書いた後に「ああ、ここが要点だな」とわかったら青で囲んでおきます。

 

 緑は、その場で解決できなかったことをメモしておくために使います。

 授業を聞いている時に浮かんだちょっとした疑問を書き込んでおけば、後で質問したり調べたりできますね。漢字や綴りを忘れてしまった語句をひらがなやカタカナで書いておけば、あとで正しい書き方で記入できます。「書き込んだら必ず解決しなくてはならない」と意気込む必要はなく「別に調べるほどでもないかな」という疑問でも、気軽に書き込む習慣を付けておきましょう。ちょっとしたことでも書いておくと、見返した時に全体の記憶の蘇り方が鮮明になります。

 

 

◎色分けのメリット・デメリット

 

 有名な学校に合格した、または卒業した方が紹介しているノート術の中には「ノートは色分けをせずに一色で書いた方が良い」というものも時々見られます。その一番大きな理由は「時間とエネルギーが節約できるから」ということのようです。学習中なにかとペンを持ち替えているとトータルでそれ相応の時間がかかりますし、その都度思考が中断されてしまう可能性もありますね。また、カラフルにノートをとるとなると、内容云々より仕上がりの見た目の綺麗さについついこだわってしまう子も少なくないようで、そうすると学習に集中できないから、一色の方が学習がはかどるというわけです。

 

 確かにそれは一理ありますが、一方で「一色のみで、後で見返した時わかりやすいようにまとめる」「単色のノートを見返して、内容を素早く適切に読み取る」というのも技術や読解力のいることではないでしょうか。一色でのノート術を推奨している人は、その能力を持ち合わせているので一色でも困らないだけで、他の子が真似しても上手くいかないかもしれません。

 また「他の場面ではともかく、授業中のノートはとにかく黒一色で書くべき」という意見もあります。これもやはり「有限な授業時間の中でノートを取りながら授業の内容に集中するためには、ペンを持ち替えている場合ではない」ということのようです。この場合、あくまでも授業のノートは「メモ」という側面が強く、「授業中の記憶とメモをもとに、後で整理してまとめる」ことが前提になっているかと思われます。その場合、後で復習にたくさん時間をとるならば良いけれど、テスト直前に見返すだけならば、やはり色分けしておいたほうが見やすいということも考えられます。

 

 今回の色分けのポイントは。「この場合はこの色」と決めておくことです。それにより、どの色のペンを使おうかと迷うという問題は回避できます。それでもペンを持ち替えるのには相応の時間がかかりますが、「要点は青」「疑問は緑」と決めておけば「ここが重要」とか「これは覚える」とか「あとで調べる」とかわざわざ文字で書く必要がなくなるため、省ける手間もあるのです。

 

 

◎次回に続きます

 

  今回はノートの使い方について一例を紹介しました。

 以前にも書いた通り、「これが良い」ということではなく、こうしたノートの使い方と向き合うことで、把握できる現状や身につけられる技能があります。

 この使い方から何が見えてくるのか、次回はそれを考えてみましょう。

 

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

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