優先順位のいろいろ~休校中の自習(全科編⑧)~
こんにちは、
キッズの教養を考える研究室「ききょうけん」のベル子です。
前回・今回と、ノートを使う際に陥りやすいの落とし穴の例を紹介しています。
※前回の記事はこちら↓
前回は
①「効率」の落とし穴
②「もったいない」の落とし穴
の2つについて書きました。
今回は、この2つ以外に陥りやすいものとして、3つの落とし穴について紹介します。
③「その場の都合」の落とし穴
ノートに何かを書き込んでいる、その瞬間の都合のみを優先するあまり、長い目でみると決して効果的ではないノートの使い方をしてしまうというパターンです。
一番シンプルな例としては、何かをノートに書き写す際に「早く終わらせたい」と考えるあまり乱雑な字で書きなぐってしまい、後で見返した時に全く役に立たないというケースがあげられます。
細かい例では、「画数の多い漢字で書くのが面倒」と感じて平仮名で書いておいたら、後で「漢字でどう書くか」を辞書で調べなくてはならなくなった、といったケース等もありますが、このようなある意味「怠け心」ともいえる考えが原因になることばかりではありません。
「より上手くやろう」と一生懸命取り組んでいても、後で使う時のことを上手く想定できずに「その場の立ち回りのうまさ」にこだわってしまい失敗してしまう例はたびたび見られます。
④「完成度」の落とし穴
こちらは③とちょうど反対の方向性だといえるかもしれません。
「後で見返した時に素晴らしい資料になっているように」と考えて、必要以上に手間をかけ過ぎてしまい、肝心の学習内容が頭に入ってこなかったりするというパターンです。
よくノートの失敗例として「見栄えにこだわって時間をかけすぎる」といったエピソードを聞きますよね。これが典型的なものです。
また、見栄えではなく「情報を全て完璧に書いておこう」とこだわる場合もあります。授業であれば先生の話を全て書き出そうとしてしまうとか、今回テーマになっている「自習」でいえば教科書や参考書に書いてあること全てを重要事項だと考えて一つ残らず書いてしまうとか。これも非常に時間や手間がかかって結果的に内容が頭に入らないという事態が起こりかねないですし、後で見返した時に最重要事項が見つけづらく結局わかりづらいノートになってしまっているということも少なくありません。
「後でまとめ直すためのメモ」であるなら有効ですが、再度まとめ直すつもりがないなら、捨てた方が良いこだわりもあるでしょう。
⑤「他者の目」の落とし穴
④と多少共通する部分がありますが、④が「自分自身が良いと思う仕上がり」を目指すのに対し、こちらは「周囲の人に評価される仕上がり」を主に意識するという場合になります。他の落とし穴に比べると陥る子は少ないようですが、誰かに見られた時に「上手だね」と言われたい、または「字が下手」と言われたくないといった意識から仕上がりにこだわり過ぎてしまうという失敗も時々は起こります。余計な手間や時間がかかる一方で、自分自身にとっては有効ではないノートの取り方になるでしょう。
この場合やっかいなのは、「人によって評価点が変わる」ということです。他者といってもいろいろな人がいますから、複数の他者の目を意識していると、手間がかかるというだけでなく迷走してしまいます。「4色の筆記用具を使う」という話の際にも少し触れましたが、「こういうときはこういう書き方をする」というパターンが確立していると、それが最善かどうかはともかく手間や時間、エネルギーを省くことができるのです。複数の人の目を気にして書き方が定まらなくなってしまうと、余計な時間や神経を使ううえに見返した時にわかりづらいノートになってしまいます。
◎もう少しだけ続きます
前回・今回と「ノートを書く際に陥りやすい落とし穴」について書いてきました。
ここまででも何度となく書いてきましたが、誰にとっても完璧な、素晴らしい学習方法というものはありません。試行錯誤を繰り返して、自分に合ったものを探していくしかないでしょう。落とし穴も、全て最初から避けるというのは難しいと思います。一度嵌ってみて学ぶこともたくさんあります。
とはいえ、いつまでも落とし穴に嵌り込んでいるわけにもいかないですよね。次回はその対策について、考えていきたいと思います。
(※全科編⑨は来週火曜日更新予定です。)
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。