ききょうけん(キッズの教養を考える研究室)

「キ」ッズの「教」養を考える「研」究室

ひらがな学習のための小ネタ集⑨~ピカピカの一年生の教養65~

 こんにちは、

キッズの教養を考える研究室「ききょうけん」のベル子です。

 

 現在当ブログでは毎週金曜日に、ひらがなを書く練習をする時に覚えておくと役に立つ、ちょっとしたコツの紹介をしています。今回はその9回目です。

 

※前回の記事はこちら↓

kikyouken.hatenablog.com

 

 前回・前々回と1文字分を4分割したマス目を活用する練習について書きました。今回は久しぶりに、ひらがな自体の練習を進めていきましょう。

 

 

◎「し」「つ」の次に練習するなら?

 

 これまで「く」「へ」「し」「つ」を扱いましたが、この後練習するとしたら、どのひらがなが良いのでしょうか。

 一般的に簡単なひらがなと難しいひらがながありますが、子どもの得手不得手に個人差があるのも事実です。そのため、次に書きやすい文字として考えられるものは1つではなく、いくつか候補があげれられます。

 

 大きく分けると、

「て」のように、1画で「し」や「つ」よ少し複雑な形の文字か、

「い」「こ」「り」のように、2画だけれど複雑でない形の文字か

のいずれかになるでしょう。

 

 それぞれの子どもにとって練習しやすい方から進めれば良いと思いますが、どちらかというと「2画でも複雑でない形の文字」の方が書きやすいと感じる子が多い様です。

「て」は「そ」や「る」等に比べると、1画の字の中でも単純な形をしていますが、それでも、2か所で曲がりますし、その2か所の曲がり方も「くっきり折れ曲がる」パターンと「曲線を書く」パターンを使い分けなくてはいけないため、そうしたことを意識するのに慣れていない子どもにとっては大変です。また「て」にはもう1つ難しいポイントがあるのですが、それは次回に紹介します。

 

 今回は2画でも複雑でない形の文字のうち「り」の書き方を考えてみましょう。

 

 

◎「り」は途中までまっすぐ 

 

 2画で始めに練習する文字として、「い」や「こ」ではなく「り」を選んだのは、他の2文字に比べて形や位置関係がとらえやすいからです。どの文字も2本線(プラスはねた部分)で構成されますが「直線2本(と『はね』)」で表そうとすると違和感が生じてしまいます。「少し傾ける」とか「少し丸くする」といった意識が必要になりますが、この「傾ける」「丸く」というのが厄介で、感覚的にピンとこなかった場合に言葉や図による説明で理解するのは難しいでしょう。それに比べると「り」は、説明の通りに書けばそれなりに形になりやすい字です。

 

「り」についても、多くのお手本では「微妙なカーブ」が登場するのですが、それを意識するのが難しければ途中までほぼ直線でも問題ありません。

 

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 上の図は1画目の線と2画目の線の前半のみですが、ここまでは「並行な縦線が2本ある」という状態です。1画目の最後の「はね」については、2画目の書き出しへ向かう筆の動きを意識できれば自然な形になりますが、そのイメージが難しい場合は、とりあえず右上方向にはねていれば良いでしょう。

 

 この2本の線は、ちょうど上半分くらいにおさまるように意識します。1画目の線を上から下に書いてきて、真ん中の補助線を通り過ぎたらすぐにはねるくらいがちょうど良いでしょう。2画目の縦線もそれに合わせて、真ん中の補助線まではまっすぐ下へと線をひきます。

 

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 真ん中を通りすぎたら、左へ曲がり始めます。縦の補助線にくっつくところがゴールです。上の図のように少しずつカーブした方が自然ではありますが、

 

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↑このようにゴール地点まで完全な直線になってしまっても、「り」の字に見えます。

 

 

◎書き出しの場所を確認

 

 以上の説明を子ども達が聞いたうえで陥りやすい失敗は、「縦長に見えない」というものです。

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 マスを4分割したスペースのうち、1画目は左上のスペース、2画めは右上のスペースから書き始めるわけですが、それぞれのスペースのちょうど中央あたりから書き始めてしまうと、このような字形になってしまいます。

 1画目と2画目それぞれの始点について、左右でいえば「内側寄り」上下でいえば「上寄り」の場所から書き始めるよう意識すると、「い」と識別しやすい細長い「り」を書くことができます。

 

 

◎まとめると

 

・「つ」と「し」の次は「て」か「り」を練習します。それぞれの子どもにとって書きやすい方から始めるのがお勧めですが、どちらかというと「り」の方が書きやすいという子が多い様です。

 

・「り」は「1画目と2画目の書き出しと書き終わりの場所」と「途中までまっすぐの直線で書く」ことをおさえておくと良いでしょう。

 

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

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