ききょうけん(キッズの教養を考える研究室)

「キ」ッズの「教」養を考える「研」究室

「右手はお箸の手」はわかりづらい?~ピカピカの一年生の教養⑦~

   こんにちは、ベル子です。

 今日の記事は、小学一年生の生活にどんな知識や技能が必要なのかを考える、「ピカピカの一年生の教養」シリーズの第7回目です。

 

 今回から数回に分けて「位置や方向」を表す言葉について考えます。

 

 右、左、上、下、前、後ろ、横、手前、奥、内側、外側…。

 

 学校生活を送っていると、こうした言葉を使って指示されることが何かとあります。「左手でパレットを持ちます」とか「〇ページの下の方を見てください」とか「☆マークの横に書かれている文を読みましょう」とか「青い線の内側に書きましょう」とか

 

   今回はその中の「左右」について考えていきたいと思います。

 

◎「左右」の理解2段階

「みぎ」と「ひだり」って、とっさに判断するのはちょっと難しいですよね。大人になっても慌てている時などには、「あれ?えーっと…右でいいんだよね?」などと一瞬自信がなくなることはあると思います。

 

 小学校一年生くらいだと、まだ理解が不十分な子の方が多い年齢です。

 

 周囲の大人も、「左右が分からないかも」と思いながら接しているので、慌てて身につけなくてもあまり心配はいらないと思います。

 

 ただ、数年の内に身につけておかないと不便を感じるようになるので、特に苦手な場合は意識して練習する機会を作れるよう、現状でどのくらい理解できているかを把握しておいた方が良いと思います。

 

「左右」を理解できているかを判断する時に、大きく分けると2つの段階に分けられます。

 

 まず最初に、「自分の右手と左手がわかるかどうか」、

 そして、それを理解したうえで「他人の視点での左右を判断できるかどうか」です。

 

◎自分の右手と左手

 自分の手のどちらが右手でどちらが左手かというのは、基本的な知識ですね。

 

 一年生になる子であれば、たいてい「みぎ」と「ひだり」という言葉が存在することは知っています。問題は「どちらが右でどちらが左か」ということですが、良くも悪くも学校生活で頻繁に使われるようになるので、次第に覚えていくことができるでしょう。

 

 それでも、なかなか覚えられない場合はどうするか。

 

 個人的には、手首など子どもの視野に入りやすい身体の一部に何かを身につけさせておくことをお勧めします。例えば左手首に目立つ色のへアゴムやおもちゃの時計を付けておいて、「ゴム(時計)のついている方が左だよ」と教えるのです。

 

 よく「お茶碗の方の手」「お箸を持つ手」というような説明を聞くことがありますが、左右をなかなか覚えられないタイプの子にはあまり効果がないと私は感じています。

 ただでさえ、「左右」が分からないのに、それに加えて自分が食事をする姿勢をシミュレーションすることに頭を使うのは負担が大きいようなのです。

 

 それよりは、視覚的に絵がぱっと浮かびやすい物の方が、考える負担が少なく覚えやすいのでしょう。

 

 学校では余計なものを身につけるのは難しいので、ご家庭で練習することになると思いますが、自分の両手首を見ながら「こっちが左」「右はこっち」と考える練習を繰り返していると、つけていない時でもどちらにつけていたのか瞬時に思い浮かべることができるようになります。

 

 それが食事シーンを思い出すよりもはるかに楽なようなのです。

 

 ちなみに私自身一年生の頃は左右の判断に自信がなかったのですが、「名札のついている方が左」と覚えてからは、名札をしていない時でも名札をしている自分を思い浮かべ、自信をもって判断できるようになりました。

 

◎他者から見た左右の理解

 最初の段階の「知識としての左右の理解」が身についても、会話等のなかで使いこなせるようになるには更にもう一段階理解を深める必要があります。「他人の視点での左右の理解」です。

 

 自分から見て左側にあるものが、向かい合った相手から見ると右側になる。これは知識だけでなく、相手の視点を想像したり、空間を正しく把握したりする能力が必要になります。

 

 これも先ほどと同じように練習することはできます。大人も子どもと同様に左手首に時計やゴムをつけておき、機会を見つけて「この手は左手?右手?」「右手はどっち?」と質問するのです。

 

 ただ、そういった練習で身につけられる場合もありますが、なかなか身につかない場合もあります。それは、まだ子どもの発達段階がそれを身につける段階に来ていないという可能性も考えられます。そのため、練習しても難しいようでしたら無理に繰り返さず、少し時間をおいてからまた練習してみると良いのではないかと思います。


◎まとめると

 

 ・学校では「左右」をよく使いますが、子どもの理解はまだ不十分です。

 

 ・よく使うので、子どもは自然と「左右」の概念を身につけていきます。

 

 ・なかなか覚えられない子は、視覚的に印象が残るような練習をしてみるのが

 お勧めです

 

 ・それでもなかなか身につかないときは、焦らず子どもの発達を待ちましょう。

 

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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