千字の作文も一字から~今日から始める読書感想文⑧~
こんにちは、ベル子です。
「今日から始める読書感想文」8回目です。夏休みに困らないよう、今からできることを考えていきましょう。
今回からは、読書感想文の3つの要素「読書をする」「自分の感想を持つ」「文にまとめる」のうちの3つ目、「文にまとめる」について考えていきたいと思います。
◎筆が進まない理由はいろいろ
読書感想文といえば、「何を書いたら良いかわからない」という声をよく聞きます。内容が思いつかなくて困っているという方は多いようです。
その点に関しては、前回までの「自分の感想を持つ」のところで感想を膨らませることができていれば、ある程度解消されているのではないでしょうか。
もちろん文を書く際には、その感想をまとめる作業がさらに必要になるとは思いますが、内容のアイデアとしては多少浮かんできていると考えられます。
※「自分の感想を持つ」について考えた記事の初回はこちら↓
でも、それで内容がまとまったとして、すらすらと書けるものなのでしょうか。
内容が決まらないと書きようがないというのは、確かにそうかもしれません。でも、内容が浮かんでいれば書けるのかと考えると、他にもいろいろハードルが存在しています。
今回からは、その文を書くうえで躓きそうなハードルについて、ぶつかりそうなタイミングが早い順に対策を紹介していきます。
◎「文章」について考える前に
「読書感想文」というのは「文章」です。
文章は細かい要素に分けていくことができます。
極端なことを言えば、原稿用紙に書かれているのは漢字やひらがななどの「文字(と句読点などの記号)」の集まりだと言えるでしょう。
文字 で、単語を作り、
単語 で、文節を作り、
文節 で、文を作り、
文 で、段落を作り、
段落 で、文章を作るのです。
つまり、最初のハードルは「文字を書く」ということになります。
「ひらがなやカタカナ、漢字を書けるようにする」というのは、さすがに「作文」のテーマから少し外れてしまうので、ここでは詳しく扱わないでおきます。
ただ、そもそも「鉛筆を握って文字を書く」という習慣がついているかどうかで、作文の書きやすさが変わって来るのも確かです。
もともと「作文を書く」ということに苦手意識を持っている場合は、普段から伝言メモやお使いのメモなどを紙に書く作業をする機会を積極的に作っておくと良いでしょう。
最近はスマホやパソコンなどを使うことが増え、電子機器で作文を書くことも不可能ではありませんが、学校の授業や入試でも作文が課されることがありますから、鉛筆での作文に慣れることは必要です。
次の段階は「単語」ですね。
感想文を書くためには、本の中から必要な語句を拾ってくるスキルと、自分の頭に浮かんだイメージを言語化するスキルが必要になります。
作文で特に重要な言葉を「キーワード」と呼ぶことがありますが、本の文中からキーワードを探すには読解力が必要です。作文というよりは、以前に扱った「読書をする」の領域だと言えるでしょう。
※「本の内容を理解する」をテーマに考えた記事はこちら↓
読解力がつけば、文中からキーワードを抜き出すことが可能になります。
では、自分のイメージを言語化するのが苦手な場合はどうでしょうか。
たくさんの言葉を知っていれば知っているだけ自分のイメージに合致する言葉を探しやすくなるかもしれませんが、特別語彙量を増やさなくても文を書くことはできます。
実際に必要なのは、語彙量よりも「自分の知っている言葉を使いこなす力」ではないでしょうか。
日常的に使っている言葉を使いこなし、読んだ本から抜き出した言葉と合わせれば、自分の感想を伝えることが十分できるはずです。
問題は、その「使いこなす力」をどうやって身につけるかということですが、身近なものでできる、こんな練習方法があります。
◎三枚の絵から考える
まず、三枚の絵を用意します。例えば今回はこのような絵を用意しました。
この三枚の絵のうち「一番左の絵にだけ」関係する言葉を、たくさん書き出してみましょう。その子のスキルに合わせて、あらかじめ目標の個数を設定しておくと良いと思います。
例えば「家」「先生」「玄関」などがそうですね。名詞だけでなく「ニコニコ」「来る」などの言葉でもかまいません。
「手」「足」とか、「女の子」「人間」等の言葉は、他の絵にも描かれていますので、数には入れられません。
また、「ドキドキ」などは人によってどの絵にでも当てはまりそうな言葉ですが、答える子どもが「左の絵だけ『ドキドキ』と関係ある」と考えているのなら、数に入れます。
「自分のイメージを言語化する」練習なので、その子の感覚で構わないのです。
なかなか思いつかなくなってくると、こじつけに近い言葉がでてくるかもしれません。
その場合は、その言葉と絵がどう関係しているのか聞いてみます。そしてその子なりに「関係ある」という理由を言えるならそれも数に入れると良いでしょう。
「多少違ってもとりあえず書き出してみる」という行為に慣れることも、言葉を使いこなす練習として効果的だからです。
◎まとめると
・長い感想文も、文字や単語を書き出すところから始まります。
・まずは、イメージに合った単語を書き出す練習をしてみましょう。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
次回9回目は文節と文を書く練習について考えていきたいと思います。
★シリーズ次回記事はこちら↓★