「ポーズ」で学校生活を充実させよう(後編)~ピカピカの一年生の教養⑯~
こんにちは、ベル子です。
小学一年生の生活にどんな知識や技能が必要なのかを考える「ピカピカの一年生の教養」、今回は「ポーズ」をテーマにした記事の後編です。
前編では、挨拶をする時などに「止まるべきところで止まる」ことで印象が良くなったり、目の前のことに集中できるようになったりするという話をしました。
※前回の記事はこちら↓
今回は、前編とは別の視点で「静止する」ことについて考えていきたいと思います。
◎学校生活では、止まっている時間の方が長い
自分の身近にいる子どもについて、「小学校に入学したら、学校生活で体力がもつかしら」と心配になることは良くあると思います。
そんな時、具体的にはどのようなことを心配しているでしょうか。
良く聞く話としては、「教科書のいっぱい入ったランドセルを背負って、学校と家を往復すると疲れそう」というような声が多いようです。
これまで保育園や幼稚園に通っていた時は、バスや車、自転車などに乗って通園していたという子どももたくさんいるでしょう。
また、小学校への通学では年上のお兄さんお姉さんと一緒に歩くこともありますから、歩くペースも今までとは違うかもしれません。
たしかに通園時代より負担が大きくなる子が多いと思います。
ただ、入学直後は授業で教科書を使う機会があまりなく、先生方も子どもの体力に配慮するので、荷物は意外と少なく抑えられます。
また、通学時大人が付き添うことも多く、お兄さんお姉さんのペースに合わせなくても何とかなることは少なくありません。
良く聞かれる話なだけあって、周囲もあれこれ対策したり配慮したりすることが多いので、極端に通学路の距離が長い子や、体力に自信のない子でなければ、それほど心配する必要はないのです。
それに対して見落としがちなのが、学校ではかなりの時間を椅子に座って過ごすという点です。
学校で自分の席について座るというのは、家で座ってくつろいでいるのとは全くことなります。慣れていない子にとっては実は非常に疲れることでもあるのです。
◎姿勢を維持するには体力がいる
家族で買い物に行った時について、イメージしてみてください。
「2時間同じ場所に立ちっぱなしで待っている」のと「2時間ぶらぶらと商品を見て歩く」のではどちらが疲れますか。
個人差があるとは思いますが、歩き回るより、立ちっぱなしという方が疲れるという人は多いのではないでしょうか。
あれこれ動き回るには確かに体力が必要ですが、同じ姿勢を保つのもまた、別の体力が必要です。
その体力が鍛えられていないと、学校で授業中にずっと座っているのは苦痛になってしまいます。
逆にその体力が十分にある子は、何の苦労もなく席に着くことができ、授業の内容に集中できます。
背もたれにどっしりと体重をかけるソファのようなものではなく、学校で使うような椅子にどのくらい座っていられるか、入学前に確かめておくことをお勧めします。
◎背もたれに頼れない
保育園や幼稚園での活動でも、かなりの時間椅子に座っていたことはあるでしょう。
ただ、その時に使っていた椅子は小学校にあるような椅子と同じものでしょうか。
素材は似ているかもしれませんが、サイズが異なるのではないかと思います。
小さい椅子、具体的には椅子の奥行がない椅子だと、背筋をまっすぐ伸ばして座っても背もたれに背中が付きます。
でも大きい椅子、奥行きのある椅子だと背中が背もたれに簡単には届かなくなるのです。
背もたれに体重をかけようとすると、お行儀の悪い座り方になってしまいます。
では椅子のサイズが子どもの体格とあっていないのかというと、そうとも言い切れないようです。
小学校一年生の教室のポスターや国語の教科書の中で、「字を書く時の姿勢」として見本となる写真がのっているのを見たことがあるでしょうか。
いくつかのパターンはあるようですが、多くの場合は机と自分の体、自分の体と椅子の背もたれの間に、それぞれげんこつ一つ分のスペースをあけるよう書かれています。
つまりそもそもが背もたれには全く頼らない姿勢を推奨しているのです。
小学校といえば基本的に一コマ45分ですが、45分ずっと自分の筋力だけで姿勢を維持しなくてはならないことは、ほとんどありません。
時には背もたれに寄りかかっても問題ない時間もありますし、字を書く時などには机にある程度体重をかけています。
それをふまえたうえで、30~40分机に向かって作業をする練習をしてみましょう。
椅子は背もたれの無いものの方が分かりやすいと思いますが、なければ椅子を使わずローテーブルでの作業でもある程度の練習にはなります。
作業の内容は、本人が好きなものや自由なお絵かきなどの気軽にできるものが良いでしょう。
先ほども書きましたが、慣れないうちは姿勢を維持することと作業の内容の両方に注意をはらうのは難しいからです。
座ることになるべく苦痛を感じないで済むよう、作業の内容は楽しいものにするのがお勧めです。
◎まとめると
・小学校の机と椅子に座り続けるのには、相応の体力が必要です。
・姿勢を維持するのが苦手そうな子は、本人が気軽にできる作業を題材にして
座る練習をしておいた方が良いでしょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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