ききょうけん(キッズの教養を考える研究室)

「キ」ッズの「教」養を考える「研」究室

「おうち駄菓子屋」のススメ(初級編)~基本の計算練習3ステップ~

 こんにちは、

キッズの教養を考える研究室、略して「ききょうけん」です。

 

 5年後に新紙幣に切り替わるというニュースが話題になっていますね。

 その前に消費税増税関連のニュースでは「キャッシュレス決済」が話題になっていましたが、やはり現金は現金で、まだまだしばらくはなくならないのでしょう。

 

 

◎金銭感覚を身につけるには 

 

 慣れれば便利な「キャッシュレス」ですが「いくら使ったのか実感しづらくなるから、現金の方が良い」という心配をする方もいます。でも、それも最近はアプリを利用することで視覚的にわかりやすくなったりするようですね。今月いくら使ったかを自動的に集計してグラフにしてくれたりと、自分で手間をかけて家計簿をつけるよりもかえってわかりやすい場合もあるとか。

 

 でも、そういった便利なツールも「そもそもの基本」を理解してからの話ではないでしょうか。

 もしかしたら今後劇的にシステムやツールが変わり、それに合わせた新時代の金銭感覚を身につける世代が出てくるのかもしれませんが、現時点では、実際の現金のやり取りから数字やお金の感覚を身につけることが重要だと思います。

 

◎お買い物体験の機会をつくる

 

 でも、キャッシュレス化が進んだり、小売業のスタイルが変わったりしてきたことで、なかなか「ちょっとしたお買い物」を経験をする機会が減ってきているように感じています。  

 私自身は、子どもの頃100円玉を握って近所の駄菓子屋さんでお買い物をした記憶があるのですが、現代の子どもたちは、なかなかそういった機会がないのですね。

 

 スーパーなどの大きなお店のお菓子売り場に駄菓子コーナーを見かけることは頻繁にあるのですが、そういった売り場の値段設定は「19円(税込)」とか「28円(税抜)」というようなものが多く、計算やお買い物に慣れていない子どもが自力で考えるのは難しいでしょう。

 もう少しわかりやすい、「入門編」といえるような体験ができる機会を探してみるものの、身近にはなかなかありません。

 

 ないなら作ってしまうしかないのでしょう。そこでお勧めしたいのが「おうち駄菓子屋」です。

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 スーパーの徳用パック菓子などを開封して、1つずつ値段をつけ「今日のおやつは50円分ね」と決めて、お買い物ごっこをしながらその日のおやつを選んでもらうというわけですね。児童館や学童保育などで実施しているところもあるようです。

 

 今回は初級編ということで計算の難易度順に一番簡単なものから3つのステップを紹介します。

 

 

①10円均一

 

 全て「10円」のお菓子のみを用意して、金額分選んでもらう方法です。

 手持ちのお金が50円ならば5個、100円ならば10個買えるということですね。

 

 計算として一番簡単なのは「一つ1円」だと思いますが、それでは現在の物価とかけ離れすぎてしまいますね。「金銭感覚」として「どういったものがどのくらいの価格なのか」のイメージをつかむことも必要だと思いますので、ここでは10円から開始することをお勧めします。

 今時10円のお菓子もそれほど多くはないと思いますが、袋入りのアメやチョコレートのうちの1~2個であれば、それほど現実とかけ離れていないでしょう。

 

  
 10円単位の計算が難しい場合は、最初に持たせるお金を50円玉や100円玉ではなく10円玉5枚や10枚にすれば、半ば物々交換のようなやり方から始められます。

 

 

②10円・20円・30円・50円の4種類から選ばせる

 

「30円持っているから3個買える」「50円持っているから5個買える」と個数で判断することができなくなるわけですね。多少の計算は避けられなくなります。

 ただ、慣れないうちは「10円のお菓子の値札表示にシールを1枚、20円のお菓子の値札表示にシールを2枚貼っておく」というように、それぞれのお菓子の値札に金額だけでなく必要な10円玉の枚数を図示しておく方法もあります。この方法と、①でも紹介した「所持金を全部10円玉で持たせる」方法を組み合わせれば、こちらも物々交換のようなやり方から徐々に難易度を上げることができるでしょう。

 

 50円のお菓子を毎回準備するのは大変かもしれませんが「特別サービス品!」ということで、かなり豪華なものを時々入荷すると、普段と少し空気が変わって楽しめます。

「他の物を一切買わずに、この豪華なお菓子を買うかどうか」の選択を迫られるわけですね。

 以前お小遣いに関する記事にも書きましたが、金銭教育としては計算だけでなく「やりくり」の経験が非常に大切です。

 

※「おこづかい」と「やりくり」の記事はこちら↓

kikyouken.hatenablog.com

 

  この選択「豪華な大物を買うか」「ちょっとしたものをたくさん買うか」を考えることは「やりくり」の良い経験になるでしょう。

 

 

③5円や15円など、5の倍数の価格の商品も並べる

 

 5円が入ると一気に難しくなり、15円や25円が入るとさらに難易度は上がりますね。でも「5とびの数」の感覚は重要なので、10円単位の計算に慣れてきたら、是非挑戦してみてください。

 最初のうちはそのまま計算するのが難しいと思いますので、「両替(10円玉1枚⇒5円玉2枚)したかったら言ってね」と伝えておくと良いでしょう。

 

 

 以上が基本の3ステップでした。小学校の1年生から取り組めると思いますので、試してみてください。毎日できなくても、休日にイベント感覚で楽しむこともできます。

 

 明日は高学年の学習内容も含めた上級編を紹介します。

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。