小中学生はマルチリンガル?~日曜日の雑談16~
こんにちは、
ききょうけんのベル子です。
このブログは「教育系の雑談ブログ」なのですが、日曜日はその中でも特に「雑談」らしい雑談の記事を書いています。お気軽にお付き合いください。
先日、音楽の先取り学習をテーマに、学校で扱われる「歌唱共通教材」の紹介記事を書きました。
※記事はこちら↓
音楽は「嫌いにならない」のが一番なので、苦手な子に家庭で練習を無理強いしたりすることはお勧めできませんが、もしも「内申点」の対策等で予習を考えているのなら、この「歌唱共通教材」がお勧めですという話でした。
ただ、それ以上に有効だと思われる方法もないわけではありません。
それは、「歌や楽器などの音楽関係の習い事を長期間続ける」ということです。
目的に対して必要な労力・時間・費用が大きすぎるという理由で「お勧め」とは言えないなと考えて、現実的に実行しやすい方法として「歌唱共通教材」を紹介させていただきました。
とはいえ実際問題、幼いころから楽器や楽譜にふれる生活をしているというのは非常に大きいのも間違いないでしょう。
上記の「音楽で先取り学習」の記事でも書きましたが、西洋音楽のルール「楽典」は、英語の授業の「英文法」に近い部分が大きいと感じています。
「日本人は、学校で英語を学んでいる割に英会話が苦手だ」という話を聞くことはありませんか。
「論理的な思考」や「勉強」が得意な子であれば、テストで好成績を上げるだけの「英文法」をマスターすることはできるでしょう。それでも、実生活で英語を聞いたり話したりするのは苦手な場合もありますよね。
一方で、特別勉強が得意でなくても、英語圏で生まれ育った子は大抵の場合、さしたる困難も無く英語で話すことができたりもします。だからといって、日本の英語のテストで好成績がおさめられるかというといえばそうとは限らないのですが、いわゆる「ネイティブスピーカー」と呼ばれる人ならではの「英語を理解する感覚」を持っているのは間違いないでしょう。
音楽というのも、一つの言語のようなものではないでしょうか。
英語のように語られることはあまりありませんが、音楽でもこの「ネイティブ」と「非ネイティブ」のような違いはあるように思います。
私自身は子ども時代に音楽関連の習い事をしていました。正直なところあまり熱心に取り組んではいませんでしたが、大学で音楽関連の部活動に所属した時に、「授業以外で音楽に取り組むのは初めて」という人との感覚の違いを強く感じました。
理論的に学習をすれば、楽譜を見て「これは『ド』」「これは『ファ』」「この音はさっきの2倍の長さ」ということはわかります。でも「これがどんな曲で、どんな意図でこのメロディーになっているのか」ということを感覚的に理解するのは「子どもの頃からどれだけ音楽や楽譜にふれてきたか」によって左右される部分が大きいと感じるのです。
音楽についても英語と同じように「学校での学習の中で理屈で覚えた子」と「子どものころからの経験から感覚で覚えた子」で差が生じやすいのも事実だと思います。
そのため、最初に書いた通り、「音楽の習い事を長期間続ける」というのは、音楽が得意になるために有効なのは確かでしょう。
もちろん個人差があるのも英語と同じで、大人になってから初めても「感覚的に音楽を理解する」ようになる人はたくさんいますから、「子どものころから習っておく」ことを積極的にお勧めするつもりはありません。
それに、学校で扱う内容で「まるで一つの言語のよう」なのは、英語や音楽だけではないとも思うのです。
いろいろなタイプの子どもたちに算数や数学を教えていると、同じ「数式」を見ても、そこから何を読み取れるかは子どもによって大きな違いがあるのを感じます。
「数式」の読解力については、「習い事の経験」で差がつくわけではないようですが、やはり算数・数学好きの子どもは日ごろの生活の中で数式について考える機会を自然に作っていて、その時間の差が「数式のとらえ方」の差につながっているのでしょう。
このように考えていくと、学校では色々な種類の言語であふれているようです。
日本語はもちろんのことですが、外国語の授業のほか、音楽や数式という別の言語にも慣れ親しまなくてはいけないのですから、子どもたちは忙しいですね。
でも、「全部の言語をマスターしよう」と思わずに「一つでも得意なもの、好きになれるものがあれば良い」と考えるなら、「言語の種類がたくさんある」というのは、とても素晴らしいことだといえるでしょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。