100までの素因数分解(前編)~計算半分暗記半分の算数~
こんにちは、
キッズの教養を考える研究室、略して「ききょうけん」です。
このブログでは4月に入ってから、水曜日と木曜日に計算の話ばかりしていることに気づきました。しかも、ほとんど数の分解(買ったものとお釣りとか、素因数分解とか)に関わるテーマばかりで、半ば連載記事のようにもなってしまっています。
話題が偏っているとは思うものの、ちょうどきりが良いので今週まではこのまま数の分解のをテーマにして、月がかわる来週から気分を切り替えることにしました。
というわけで今回は、先週の素因数分解の補足です。
先週は、かけ算やわり算の考え方で数を分解する「素因数分解」について、2回にわたって記事にしました。
※先週の記事前編はこちら↓
素因数分解は「12=2×2×3」というように、一つの数を素数だけのかけ算の式に置きかえるという、数の分解の考え方です。
それぞれの数について、頭の中で素早く素因数分解できるようになると、大きめの数の計算や分数の計算が非常に早く正確にできるようになるという話でした。
100までの分解に慣れてしまえば、かなり計算が楽になります。とはいえ、使いこなせれば便利といっても、子どもによっては実際に分解できるようになるまでが大変ですね。でも、半分暗記のようなもので、繰り返し計算していると、よく使われる数は覚えられるようになってきます。
前編となる今回は、100までの数の中でも比較的とっつきやすい、九九と利用して分解できる数と10の倍数の分解を紹介します。
◎九九を利用した分解
九九の答えにある数は、全て一桁の数のかけ算で表せるはずですね。
ただ、一桁の数の中には、更に分解しないといけないものもあります。
一桁の数のうち、分解が必要ないのは、素数である「2、3、5、7」の4つと「1」です。
それ以外の数については、
4=2×2
6=2×3
8=2×2×2
9=3×3
となります。2、3、5、7以外の数がなくなるまで分解できれば、ここで終了です。
6は3×2とも考えられますが、小さい数が左側にくるように並べ替えて書くと見やすくなるので、以下全てその形式で書いていきます。
九九の答えにある数は、九九の式と上の4,6,8,9の分解を利用すれば、全て素数のみの式に置きかえることができるでしょう。
例えば、45を分解するなら、まず九九を利用して
45=5×9
と分解できますね。5は素数ですが9は素数ではありません。そこで先ほどの計算した9=3×3を利用して置きかえると、
45=5×9=5×3×3
となります。小さい順に書くのが基本ですから
45=5×9=5×3×3=3×3×5
と並びかえれば終了です。
この方法で、九九の答えにある他の数についても分解してみます。
12=3×4、12=2×6というように、数によっては複数の九九の式が思い浮かぶものもありますが、どの式を使っても最終的な分解結果は変わりません。
12=4×3=2×2×3
14=2×7
15=3×5
16=4×4=2×2×2×2
18=2×9=2×3×3
20=4×5=2×2×5
21=3×7
24=4×6=2×2×2×3
25=5×5
27=3×9=3×3×3
28=4×7=2×2×7
30=6×5=2×3×5
32=4×8=2×2×2×2×2
35=5×7
36=4×9=2×2×3×3
40=8×5=2×2×2×5
42=6×7=2×3×7
45=9×5=3×3×5
48=8×6=2×2×2×2×3
49=7×7
54=6×9=2×3×3×3
56=8×7=2×2×2×7
63=9×7=3×3×7
64=8×8=2×2×2×2×2×2
72=8×9=2×2×2×3×3
81=9×9=3×3×3×3
似たような数がたくさんでてきてややこしく感じるかもしれませんが、裏を返すと覚えなくてはいけない内容はあまり多くないということです。
一桁の数のうち2,3,5,7が素数であることと、4,6,8,9の分解後の式を覚えておけば、まだ分解に不慣れなうちでも対応できるでしょう。
◎10の倍数の分解
九九の答えには無い二桁の数のうち、10の倍数ならば
一桁の数×10
で表せますね。
10=2×5
ですから、これらを使えば、10の倍数も簡単に分解できます。
以下にまとめて書きます。一部、九九で分解できたものとかぶりますが、もちろんどちらの考え方で分解しても結果は変わりません。
20=2×10=2×2×5
30=3×10=3×2×5=2×3×5
40=4×10=2×2×2×5
50=5×10=5×2×5=2×5×5
60=6×10=2×3×2×5=2×2×3×5
70=7×10=7×2×5=2×5×7
80=8×10=2×2×2×2×5
90=9×10=3×3×2×5=2×3×3×5
また、100=10×10ですから、これも
100=10×10=2×5×2×5=2×2×5×5
と分解できますね。
◎残り半分は後編で
これで、100までの数のうちの50個近い数の分解ができました。
半分よりは少ないですが、残りの約60個に比べると頻繁に使われる数です。今回の分解を覚えるだけでも多くの場面で役に立てることができるので、余裕があれば繰り返し計算して覚えてみてください。
※また、後日100まで分解した一覧を作成しました、良かったらこちらも活用してください。↓
ここまで読んでいただきありがとうございました、明日の後編では残りの数の分解について紹介します。
※後編はこちら↓