ききょうけん(キッズの教養を考える研究室)

「キ」ッズの「教」養を考える「研」究室

過去・未来の自分と向き合う~休校中の自習(全科編⑨)~

 

 こんにちは、

キッズの教養を考える研究室「ききょうけん」のベル子です。

 

 当ブログではここ2ヶ月ほど、休校中の自習をテーマに記事を書いてきました。6月に入った現在は、全国的に段階をふみながらに学校が再開されてきている流れですし、今週(今回と次回)で一区切りつけたいと思います。

 

 全科編では、ノートの使い方を題材に「独りで学ぶ力」について考えています。

 前回、前々回の記事では、ノートと使う際に陥りやすい落とし穴について、主な例をあげました。

 

※前回の記事はこちら↓

kikyouken.hatenablog.com

 

 学習するうえでノートという道具は役に立つものではありますが、上手く使いこなすのは難しい道具でもあります。

 では、そうした落とし穴に陥らないようにするには、どうしたら良いのでしょうか。

 

 

◎試行錯誤が基本

 

 最初に一つ確認しておきたいのは、「学習のコツ」は「失敗しながら学ぶ」のが基本だということです。以前の記事でもふれましたが、「最初から最高に効率の良い方法で学習する」というのは不可能です。誰かにとって素晴らしい方法が他の子にとって素晴らしいとは限らないのですから。自分にとって良い学習方法は、結局自分で探し出すしかありません。周囲の意見を参考にしつつ、「やってみる→うまくいかない→自分はもっと〇〇なやり方が向いているかな→それに合った方法をやってみる」という試行錯誤を繰り返して確立させていくことになります。

 もちろん、ただひたすらノートをたくさん使っていれば上手く使えるようになるというものではないので、「上手に使うようにしよう、上手に使えるようになろう」と意識することが重要です。

 

 

◎目標・目的を明確にする

 

 それでは「上手く使えた」というのは、どういう状態なのでしょうか。「勉強を頑張りたい」「しっかりノートを書きたい」と思っている子どもでも、その「しっかり」がなんなのかは漠然としかイメージしていないということが、実は少なくありません。

「ノートを書く」というのは、何らかの問題、課題を解決するための手段です。その手段が適切かどうかは、課題が解決できたかどうかで決まります。でも、今何のために勉強しているかの目的がはっきりしていない場合が、意外と多いということです。これは「勉強は何のためにするのか」というような一般論としての話ではありません。子どもがノートの使い方を「試行錯誤」するには、もう少し小さい範囲の、身近でわかりやすい視点が必要でしょう。

 状況に応じて、大人の側で「解決するべき課題」を設定したり、子どもと確認したりしてみることをお勧めします。例えば「この漢字プリントで90点以上とれるようになろう」というような、達成できたかどうかがわかりやすいものだと、子どもも「上手くノートが使えたか、(上手く勉強できたか)」を振り返りやすくなるでしょう。

  

  

◎「位置づけ」を明確にする

 

  課題を設定したら、今度はその課題を解決するためのプロセスの中で「ノートを使う」ことがどういう意味合いを持つかを考えます。

 例えば算数の「立体の体積」について「『まとめの問題』に出てくる問題を全て解けるようになること」を目標に学習する場合ではどうでしょうか。

 ここで「参考書に書いてある内容をノートに書き出す」という場合に、その「ノートに書き出す」という作業は学習全体の中でどのような位置づけになるのかは、人によって異なります。

 同じ「ノートに書き出す」と言っても、「参考書を読んだ後に、自分の頭の中を整理する」という段階でノートを使う場合もありますし、「問題演習をしている時に見返せるよう、必要な情報を書き出しておく」ために書く場合もあります。場合によっては、「体積に関わる用語を一通り覚える、漢字で書けるようにする」といった目的のために、単語練習のように同じ用語を繰り返し書き続けることもあるかもしれません。

 

 以前の回で、ノートによく使われる筆記用具について、それぞれのメリット、デメリットを書きましたが、

 (※当時の記事(2回分)はこちら↓)

kikyouken.hatenablog.com

  

kikyouken.hatenablog.com

 

今まさに行っている「ノートによる学習」が、課題解決のためのプロセスの中でどのような位置づけにあたるのかによって、適切な筆記用具は変わってきます。

 

 仮に「自分の頭の中を整理する」ためのノートであれば、思い浮かんだことを書いては消して書いては消してを繰り返せる鉛筆が良いと考えられますし、「後で見返す」ためのノートであれば、読みやすい濃さのペンで色分けして書くと良いかもしれません。

「ノートによる学習が学習者にとってどのような位置づけになるのか」、

どのような位置づけでも良いのですが、自分でしっかり意識しておく必要があるのです。

 

 

◎後で振り返ってみる

 

 より良い使用法を確立していくためには、「使い方が適切であったかを、後で振り返る」ことが必要になります。ある程度学習した後に「ノートは役に立ったのか」を考えてみましょう。

「後で見返せるように丁寧に書いたけれど、考えてみたら自分が後でノートを見返す機会なんてなかった」なんていうこともあります。反対に「後で見返したくなってノートを開いたけれど、雑に書きすぎていて役に立たなかった」という場合もあるでしょう。設定した「位置づけ」に合致した使い方ができていても、本人の行動パターンと合致していないと、後で役に立たなくなってしまうこともあるのです。

 設定した「ノート学習の位置づけ」が、過去や未来の自分の行動と関連付けて適切であったかという視点で考えます。

 

◎まとめると

 

・ノートを使いこなせるようになるには、試行錯誤が必要です

 

・達成したかどうかがわかりやすい課題を設定し、その達成のために有効なノート使用ができたかを振り返ります。

 

・ある程度学習が進んだら、「長期的な目線で有効であったか」についても考えてみましょう。

 

 

 ここまで読んでいただき、ありがとうございました。  

 

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